インサイト(Instagramアプリの中にある無料の分析画面)を開いて、数字をひととおり眺め、「今日も伸びなかったな……」とため息をついて画面を閉じていませんか?本業を抱えながら一人でInstagramを運用していると、どうしてもこの繰り返しになりがちですよね。
私はInstagramの運用代行をしながら、SNSの数字を分析するツールも開発していますが、多くの方がつまずくポイントはいつも同じです。
それは「数字が読めないこと」ではなく、「見るべき項目を絞れていないこと」が原因です。
リールのインサイトには20個近い項目が並んでいますが、すべてを追う必要はありません。
実際に見るべき数字は「たった3つ」だけです。
この3つに絞り込むだけで、画面を閉じる前に「次の投稿ではここを直そう」と、明日やるべきアクションが迷わず1つに決まります。
この記事で扱うのは、リール動画をもっと多くの人に届けるための分析です。
「リールが伸びない」「閲覧数(再生数)が増えない」という悩みを解決するための3つの指標と、記録のしかたをお伝えします。
(※アカウント全体の分析や、売上につなげるための指標については、別の記事で解説します)
この記事を読むと、次の5つがわかります。
- インスタ分析で見るべき3つの指標
- 3つの指標の「合格ライン」
- 3つの指標を見る「順番」
- インサイトの数字を記録するタイミング
- リールのインサイトの確認手順と記録方法
インスタ分析では、何をすればいい?

分析のゴールは、数字を確認することではなく、「次の投稿で直す1箇所を決めること」です。
この目的がずれていると、どれだけ時間をかけてインサイトを眺めても、具体的な改善アクションにはつながりません。
インサイトを開くと20個近い項目が並んでいますが、多くの方は「閲覧数3,000」「保存数40」など、目についた数字をただ確認して終わってしまいます。
しかし、ただ数字を見せられても、それが良いのか悪いのかを判断することはできません。
やっかいなのは、良し悪しは判断できないのに、「前回より増えたか・減ったか」だけは目に入ってしまうことです。
増えていれば安心し、減っていれば不安になる。結局、改善にはつながらないまま、感情の上下だけに貴重な時間が使われてしまいます。
そこで、ゴールを「次に直す1箇所を決めること」に置き直すと、インサイトで見るべき場所がはっきりします。
20個近い項目すべてを眺める必要はなくなり、手元には、直す場所を絞り込むための「本当に必要な数字」だけが残るのです。
インスタ分析で見るべき指標は?

私がおすすめしているのは、冒頭3秒継続率・保存率・シェア率の3つです。この3つの指標を見れば、動画のどこで視聴者が離脱しているのかを特定できます。

どれもInstagram公式の指標名ではないため、まずは計算のしかたをお見せします。
| 指標 | 計算方法 | 数値が悪いときの離脱箇所 |
|---|---|---|
| 冒頭3秒継続率 | 100% − スキップ率 | 動画の入口。3秒で離脱されている |
| 保存率 | 保存数 ÷ リーチ数 | 動画の中身。「後で見返したい」と思われていない |
| シェア率 | シェア数 ÷ リーチ数 | 動画の広がり。「誰かに送りたい」と思われていない |
3つとも、数字が高いほど良い指標です。
ここで分母に使う「リーチ数」とは、動画が少なくとも1回画面に表示されたアカウントの数のこと。
同じ人が何度見ても「1」と数えるため、再生された回数を表す「閲覧数」とは別の数字になります。

※現在のインサイト画面では、リーチ数が「閲覧者」という名前で出ていることがあります。割り算に使うのは「閲覧者」の数字であり、「閲覧数」ではありません。
ここで押さえておきたいのは、閲覧数そのものは、自分では直接いじれないということです。
誰に何回表示するかを決めているのはInstagram側であり、自分から増やすことはできません。
一方、先ほどの3つの指標はどれも「それぞれのアクションを起こしてくれた人の割合」なので、動画の作り方しだいで変えられます。
ですから、閲覧数が伸びないときに見るべきなのは「閲覧数」ではなく「3つの指標」のほうです。いいねの数やハッシュタグの数をいくら眺めても、どこで離脱されたのかまでは分かりません。
(※なお、この記事では「冒頭3秒継続率」と「シェア率」を、リール動画用の指標として使います。
写真やカルーセルなどのフィード投稿を分析するときは「保存率」で判断してください。)
冒頭3秒継続率:最初の3秒で離脱されていないか
1つ目の指標は、最初の3秒で離脱せずに見続けてもらえるかどうかです。ここで離脱した人は、動画の中身を見ないまま次の動画に移ってしまっています。
Instagramの画面では、冒頭3秒継続率のかわりに「スキップ率」が出ていることがあります。
これは冒頭3秒で離脱された割合のことなので、継続率とはちょうど裏返しの関係です。
スキップ率が30%なら、継続率は70%になります。
保存率:「後で見返したい」と思われたか
2つ目の指標は、中身が刺さって「後で見返したい」と保存してもらえるかどうかです。
保存されるのは、あとで手順どおりにやってみたい、もう一度見返したいと思われた動画です。保存率の本質は「便益性」にあります。
つまり、視聴者にとって役に立つ情報や、具体的な価値を提供できたかどうかを測る重要な指標なのです。
シェア率:「誰かに送りたい」と思われたか
3つ目の指標は、「あの人に見せたい」と誰かに送ってもらえるかどうかです。ここでいうシェアは、DMで誰かに投稿を送ることです。
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏も、動画が拡散されるための最も重要なシグナルとして『リーチあたりのシェア数(DM送信)』を挙げています。
タップ一つでできる『いいね』に比べ、『保存』や『シェア』はユーザーの熱量が高いアクションとしてアルゴリズム上でも高く評価される傾向にあります。
3つの指標は、何%あれば合格?

冒頭3秒継続率は「50%以上」、保存率は「3%以上」、シェア率は「1.0%以上」が合格ラインです。私が普段の分析で実際に使っている判定基準を、そのまま公開します。
| 指標 | × 改善ポイント | △ もう一歩 | ○ 良好 |
|---|---|---|---|
| 冒頭3秒継続率 | 30%未満 | 30%以上〜50%未満 | 50%以上 |
| 保存率 | 1%未満 | 1%以上〜3%未満 | 3%以上 |
| シェア率 | 0.2%以下 | 0.3%〜0.9% | 1.0%以上 |
※この目安は、記録した時点をそろえて比べる前提です。目安と比べるときも、前の投稿と比べるときも、投稿からの経過時間をそろえてください。
※シェア率は、小数第2位を四捨五入して当てはめてください(0.25%なら0.3%として△)。
この基準は、あえて甘くしていません。
基準をゆるめれば「○」が増えて安心はできますが、それでは直すべき場所が見えなくなってしまいます。
「×」が付くことそのものより、「どこに×が付いているかを知ること」のほうがはるかに役に立つからです。
なお、シェア率の基準が保存率よりずっと低いのは、保存よりも「人に送る」ほうがハードルが高い行動だからです。
リーチ数が数百のうちは、シェアは0件か1件になりやすく、×が続いても珍しいことではありません。
もし1件でもシェアが出たら、「その動画はほかの動画と何が違ったのか」をぜひ分析してみてください。
3つの指標は、どの順番で見ればいい?

==指標は必ず「冒頭3秒継続率 → 保存率 → シェア率」の順に確認します。
==もし×が複数付いている場合も、表のいちばん上にあるものから手をつけてください。
この順番を守らないと、判断そのものを間違えてしまいます。
理由は単純で、最初の3秒で離脱した人は、動画の中身を見ていないからです。
冒頭3秒で離脱されていれば、その視聴者にとって「保存するかどうか」の判断材料すらありません。
この状態で保存率を見ても、数値が低いのは当たり前です。
もしここで「保存率が低いから、動画の中身を作り直そう」と判断してしまうと、決して悪くない中身を何日もかけて作り直すことになり、結果も変わりません。
つまり、冒頭3秒継続率が低いあいだは、保存率で中身の良し悪しを正しく測ることはできないのです。
正しい分析の順番は、次の3ステップです。
- まず「冒頭3秒継続率」を見る
ここが低ければ、次に直すのは「動画の冒頭3秒」だけです。 - 冒頭が改善されたら「保存率」を見る
冒頭3秒継続率が上がって、初めて動画の中身を正しく評価できます。 - 保存率も良いのに伸びないとき、最後に「シェア率」を見る
中身が刺さっていない(保存されない)動画が、わざわざ人に送られることはほとんどありません。

インサイトの数字は、いつ記録すればいい?

結論から言うと、投稿からの経過時間をそろえて、すべての投稿を同じ時点で記録します。迷ったら「投稿の24時間後」が比較的管理しやすいのでおすすめです。
わざわざ自分で記録しなければならない理由は、Instagramの公式インサイトでは、投稿ごとの数字が基本的に「いま現在の合計」でしか表示されないからです。
過去にバズった投稿を振り返っても、画面に出ているのは投稿から1か月経った現在の合計だけ。
「公開直後の24時間でどれくらい伸びたのか」といった過去の時点の数字は、あとからさかのぼって確認できません。
だからこそ、スプレッドシートなどに自分で数字を記録してためていく必要があるのです。
そして、記録していくうえで一番大事なルールが、「投稿からの経過時間をできるだけそろえて記録すること」です。
なぜなら、保存率のような割合は、分子と分母が伸びるタイミングがずれるため、記録した時点によって結果が大きく変わってしまうからです。
時間の条件をそろえずに記録すると、この割合の評価が大きく狂ってしまいます。
保存率は時間とともに「薄まる」
リール動画では、保存数(分子)とリーチ数(分母)が伸びるタイミングが異なります。
- 投稿直後(〜24時間): 熱量の高い既存フォロワーに先に届くことが多いため、見てもらえれば保存されやすく、分子の保存数が先に伸びる傾向があります(※フォロワー以外に先に見せる「トライアルリール」は例外です)。そのため、一時的に保存率が高く出やすくなります。
- 数日後: おすすめや発見タブを通じてフォロワー以外にも動画が広がり始めると、今度は分母のリーチ数が一気に増えます。ところが、初めて見る新規層はフォロワーほど熱量が高くないため、見てはくれても保存まではしてくれない可能性があります。
その結果、保存率はだんだん薄まって下がりやすくなるのです。

記録した時点がちがうと比べられない
このように、経過時間によって割合の性質そのものが変わるため、時間をそろえずに比べると判断を誤ります。
たとえば、記録した時点がそろっていない次の2本を比べるとします。
| 動画 | 記録した時点 | 保存率 |
|---|---|---|
| 動画A | 投稿の24時間後 | 1.5% |
| 動画B | 投稿の1週間後 | 0.8% |
これをそのまま並べて「動画Aのほうが優秀だ」と判断するのは危険です。動画Bも、投稿24時間後の時点では保存率が2.0%あったかもしれないからです。
動画Bはその後大きく伸びてリーチ数が何十倍にも膨らみ、結果として「いまの保存率が0.8%まで薄まって見えているだけ」かもしれません。もしそうなら、本当に強かったのは動画Bのほうですよね。
迷ったら「投稿の24時間後」に記録する
「2日後」や「3日後」といった特定の時間にこだわる必要はありません。
大切なのは、「投稿の〇日後(〇時間後)」という記録のルールを1つ決め、同じ条件で全部の投稿を並べて評価することです。
迷ったら、投稿の24時間後をおすすめします。だいたい翌日の同じ時刻です。
投稿した時刻をメモしておけば、条件は自然とそろいます。
逆にルールを決めておかないと、記録はいつのまにか「思い出したときに開いた数字」になってしまい、正確な比較ができません。
時間差による数字のゆがみを防ぎ、見た人に本当に刺さった動画の共通点を見つけるには、記録の時点をそろえることが一番確かな方法です。
リールのインサイトの具体的な確認手順と記録方法は?

リールのインサイトを開いて「4つの数字」を確認し、「3つの指標」を計算して、投稿1本につき1行で記録します(インサイトは、公開アカウントであれば見られます)。
アプリを開いて確認・計算する項目

確認する数字は、リーチ数・保存数・シェア数・スキップ率の4つです。手順は次のとおりです。
※画面では、リーチ数が「閲覧者」と出ていることがあります。

※画像のシェア数は、説明のために書き換えた数字です。


例:保存数が40、リーチ数が1,500なら、40 ÷ 1,500 = 0.027 で、保存率は2.7%
1投稿につき1行で記録する
記録先はスプレッドシートでもノートでも構いません。「1本につき1行」と決めて、投稿日時・動画の内容(ひとこと)・冒頭3秒継続率・保存率・シェア率の5列を用意してください。
たとえば、次のように書きます(数字は記入例です)。
| 投稿日時 | 動画の内容 | 冒頭3秒継続率 | 保存率 | シェア率 |
|---|---|---|---|---|
| 9/1 19:00 | よくある質問に答える | 52% | 3.1% | 0.8% |
| 9/3 19:00 | 失敗しがちなポイント3つ | 28% | 1.2% | 0.2% |
| 9/5 19:00 | お客様のビフォーアフター | 47% | 2.4% | 0.5% |
この例なら、9/3の動画は冒頭3秒継続率が30%を下回っているため、次に直すのは「冒頭3秒」です。保存率やシェア率は、冒頭3秒を直してから見直します。
記録するタイミングは、前の章で決めた時点です(迷ったら投稿の24時間後)。慣れれば、1本あたり数分で終わります。
インスタ分析が続かない原因は?

インスタ分析が止まってしまう原因は、多くの場合、判断の難しさではなく「作業の手間」にあります。見る数字を3つに絞れても、次にぶつかる壁は「記録を継続すること」です。
決まった時刻に記録し続けるのが難しい
一番のハードルは、記録のタイミングを逃すと、その時点の数字は二度と取れなくなってしまうことです。
インサイトには「現在の合計」しか表示されないため、投稿の24時間後に開き忘れた動画は、比較用のデータに入れられなくなってしまいます。
1回の記録は数分で済むとはいえ、本業や日々の業務を抱えながら、毎日決まった時刻にアプリを開いて数字を転記するのは、思った以上に大きな負担です。
面倒な「記録と計算」を全自動化する分析ツール「アカルテ」
この「同じ時点での手動記録」と「計算」のストレスをゼロにするために開発したのが、SNS分析ツール「アカルテ」です。
Instagramアカウントを連携するだけで、この記事でお伝えした分析作業をすべて自動で肩代わりします。
- 同じ時点の数字を自動記録: あとからさかのぼれない投稿ごとの数字を、決まった時点で自動的に取得します(ホーム画面は投稿の24時間後、一覧では2日後・7日後に切り替えられます)。手動で記録する手間も、記録忘れも防ぎます。
- 3つの指標と判定(×△○)を自動算出: 冒頭3秒継続率・保存率・シェア率を自動で計算し、この記事で紹介した基準と同じように×△○の判定まで完了します。
- 次に試すことのたたき台を提案: 週に1回、AIが数字を読み込み「次に改善すべきポイント」のアイデアを提示します。AIの提案は、無料体験のあと、有料になってから使える機能です。
実際の画面は、次のようになっています。


分析の本当の目的は、数字をシートに書き写すことではなく「次に直す1箇所を決めて、次の動画を作るエネルギーを残すこと」です。
面倒なデータ収集と計算はアカルテに任せて、空いた時間と情熱は、本来のコンテンツ制作に戻してください。
アカルテは、7日間の無料体験でお試しいただけます。登録時にクレジットカードの入力が必要ですが、7日目までに解約すれば料金はかかりません(8日目から有料)。
まずは、あなたのアカウントのリールが今どんな判定(×△○)になっているか、確認してみませんか?
まとめ
インスタ分析は、3つの指標を同じ時点で記録し、次に直す1箇所を決める作業です。
この記事は、インサイトを開いても手が止まってしまう方に向けて書きました。
リール動画を多くの人に届けるための3つの指標と、経過時間をそろえた記録のしかたを解説しています。
最後に、要点をQ&Aで振り返ります。
- インスタ分析では、何をすればいい?
-
数字を確認することではなく、次の投稿で直す1箇所を決めることです。この目的がずれていると、どれだけインサイトを眺めても改善アクションにつながりません。
- インスタ分析で見るべき指標は?
-
冒頭3秒継続率・保存率・シェア率の3つです。それぞれ、最初の3秒で離脱されていないか、「後で見返したい」と思われたか、「誰かに送りたい」と思われたかを表します。
- 3つの指標は、何%あれば合格?
-
私が普段の分析で使っている基準では、冒頭3秒継続率は50%以上、保存率は3%以上、シェア率は1.0%以上で良好と判断します。記録した時点をそろえて比べる前提です。
- 3つの指標は、どの順番で見ればいい?
-
冒頭3秒継続率、保存率、シェア率の順です。3秒で離脱されているあいだは、保存率で中身の良し悪しを正しく測れません。
- インサイトの数字は、いつ記録すればいい?
-
投稿から同じ時間が経った時点で記録します。迷ったら投稿の24時間後です。投稿直後は保存率が高く出やすく、広がるにつれて薄まっていくため、記録した時点がばらばらだと比べられません。
- リールのインサイトの具体的な確認手順と記録方法は?
-
リールを選んで「インサイトを見る」を開き、リーチ数・保存数・シェア数・スキップ率を確認します。そこから3つの指標を計算し、投稿日時・動画の内容と一緒に、1本につき1行で書き留めます。
- インスタ分析が続かない原因は?
-
多くの場合、判断ではなく記録を続ける手間です。インサイトには「いまの合計」しか出ないので、決めた時刻に開き忘れた動画は、比べる表に入れられなくなります。
最後に
インスタ分析は、20個近い項目を読み解く難しい作業ではありません。3つの数字を同じ条件で記録するだけで、インサイトを閉じる前に、次の投稿で直すことが1つ決まるようになります。
もう気づいているかもしれませんが、これは特別なテクニックではなく、同じ物差しで測って、1つずつ直していくという、仕事の基本そのものです。
本業で毎日やっていることを、Instagramにも当てはめるだけで十分です。
まずは昨日投稿したものを開いて、3つの数字を1行だけ書き留めてみてください。
この記事が、インサイトを閉じる前に「次はここを直そう」と決められるきっかけになれば、とても嬉しいです。
記録と計算を自分で続けるのが難しいと感じたら、アカルテを7日間無料で試すこともできます。

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